オフショア開発やニアショア開発といえば、アジャイル開発とスクラム開発の概念を聞いたことがあまり少なくありません。それらはIT業界での管理方法に関係があるため、徹底的に理解しないとITプロジェクトの成功を収めることは難しいです。前編「アジャイル開発とは何ですか」を説明しましたので、今回はスクラム開発を紹介します。
1.スクラム開発とは?
スクラムは、アジャイル方法論を支える多くのフレームワークの中で最も使用されていることは間違いません。実際にスクラムとアジャイルの概念を混同することが多いが、アジャイルは方法論、つまりプロジェクト管理を容易にするための原則と方向性を提供する一方、スクラムはフレームワーク、つまりどうやって具体的にプロジェクトを管理するかについて説明します。スクラムはアジャイル方法論の傘の下にあるために、アジャイルの原則に従います。言い換えれば、柔軟性を大切にするフレームワークです。
具体的に言えば、スクラムは、プロジェクト管理に対する反復的なアプローチです。つまり、小さなものを迅速に提供するように設計されています。スプリントと呼ばれるイテレーション(反復的な段階)ごとは、わずか数週間かかります。実際に開発チームは、スプリント中にどれだけの作業を行うかを決定する必要があり、その決定を出した後は、作業負荷を変更したり、優先順位を付け直したりするべきではありません。
スクラムは、完成品(完成品がない場合、各機能)が稼働するかどうかを把握するために迅速なリリースを強調します。スクラムによるイテレーションを使用することで、事前に膨大な量の計画を必要とする従来のプロジェクト管理方法よりも、より迅速に、より少ないリスクで管理することができます。
2.スクラム開発のメリット
- すべてのスプリントの締め切りに間に合わせるようにしているため、チームのモチベーションは良好です。
- 透明性により、チーム内のすべてのメンバー、さらには組織全体がプロジェクトを追跡できます。
- スクラムモデルでは常に品質に重点が置かれるため、ミスが少なくなります。
- このモデルのダイナミクスにより、開発者は優先順位を再編成でき、完了していないスプリントがより注目されるようになります。
- スクラムチーム全体が割り当てられたタスクの「なぜ、何を、どのように」を理解できるように、適切なスプリント計画が優先されます。
3.スクラム開発のデメリット
- プロジェクトの細分化と開発のアジリティの追求により、チームはプロジェクト全体を見失い、特定の部分に集中してしまうことがあります。
- すべての開発者の役割が明確に定義されていない可能性があるため、チームメンバーの間で混乱が生じることがあります。
4.スクラム開発における役割
スクラム方法論の主な特徴は、明確な期待値を設定し、スクラムチームがより効率的に運用できるようにする、明確に定義された役割です。これらのスクラムの役割には、スクラムマスター、プロダクト オーナー、開発者が含まれます。
4.1.スクラムマスター
一般に、スクラムマスターは、スクラムチームがスクラム方法論の原則に従って実装をするのを支援する責任を負う人々です。スクラムマスターは、ミーティングを促進し、人々の生産性を妨げている障害を取り除き、チームメンバーがスクラムをより深く理解できるように導きます。彼らは、スクラムのすべてを完全に理解しているだけでなく、チームとの強い対人関係を維持することが期待されています。
4.2.プロダクトオーナー
プロダクトオーナーの役割は、開発チームが実際のソフトウェア製品を構築することから、その名前が付けられました。スクラムマスターがスクラムプロセスを担当している場合、プロダクトオーナーは、そのプロセスが適切なタイミングで適切な作業に適用されるようにする責任があります。
優れたプロダクトオーナーは、チームが行っている作業の背後にある「誰が」と「なぜ」を理解しています。利害関係者や顧客と常にコミュニケーションを取り、チームがユーザーにとって重要な仕事を提供し、ビジネスに価値を生み出すようにします。
プロダクトオーナーはマネージャーに少し似ていますが、スクラムでは、組織内の年功序列よりも、ユーザーとのつながりに重点が置かれています。
4.3.デベロッパー
スクラムマスターとプロダクトオーナーは、伝統的に、スクラム チームで唯一の差別化された役割です。他のすべてのチームメンバーは、開発者またはデベロッパーと呼ばれます。
理想的には、全員は幅広いスキルセットを持ったほうがいいです。なぜかというと、メンバーごとはすべてのフェーズに必要な作業を行えるため、プロダクトの進捗や完成品の質を保つことができるからです。一般的なチームにはコードを書くデベロッパーの他に、テストを担当する人もいます。
5.スクラムとスプリントの違い
スクラムは、複雑なプロダクトを開発するためにアジャイルの傘の下で使用される特定のフレームワークです。 スクラムという用語は、スプリント中に行われる毎日のミーティングを表すためにも使用されます。
スプリントはプロジェクトの一部ごとを行うのに必要な時期です。1週間から一か月までかかります。スプリントごとにプロダクトオーナー、スクラムマスター、およびスクラムチームは最初から設定されたプロジェクトの一部を完了するようにします。スプリントでは、ユーザーストーリーとバックログに基づいて新しい機能を作成する作業が行われます。 新しいスプリントは、現在のスプリントが終了した直後に開始されます。
6.スプリントのワークフローとプロセス
スプリント ワークフローは、チームメンバーが自分の作業を評価し、プロセス全体を通して互いにコミュニケーションできるようにすることを目的としています。プロセスには次のものが含まれます。
- バックログ: プロダクトがリリースされる前に完了しなければならない一連のタスクのリストです。常にバックログはプロダクトオーナーによって作成されます。プロダクトオーナーは、スクラムマスターとスクラム チームに優先順位付けされたアイテムのバックログを渡します。バックログは、ユーザー ストーリーに基づき、エンド ユーザーのタイプ、彼らが何を望んでいるか、その理由を考慮した機能に焦点を当てています。
- スプリント計画: チームは最優先のユーザー ストーリーについて話し合い、スプリントで何を提供できるかを決定します。
- スプリントバックログ :チーム全体で合意されたこのリストは、スプリント中に開発チームが何を完了するかを最終決定します。
- スプリント: 作業を完了しなければならないタイムフレーム(多くの場合 30 日)です。
- デイリー スクラム :スクラムマスターは、毎日の短いミーティングで昨日は問題が発生したかどうか(問題があった場合、解決するには何をしたか)、今日は何しようかについて全員に話し合います。
- 結果 :スプリントの結果は、仮想的に使用可能なプロダクトです。 プロダクトオーナーは、プロダクトの準備ができているかどうか、または追加機能が必要かどうかを判断できます。
- スプリントの終了 :スプリントの終了時に、次の 2つの会議が開催されます:一つ目はスプリント レビュー です。そこでは、チームは自分の作業をプロダクトオーナーに報告します。二つ目はスプリントの振り返りです。チーム(チームの内部だけです)は、プロセスを改善するために何ができるかについて話し合います。
7.スクラムの生産性を向上するツール
今日の市場では、多数のスクラムの生産性を高めるツールが提供されています。 それぞれが、開発チームがスクラム/スプリントの方法論を効率的かつ正確に実行できるように設計されています。一般的なスクラム ツールには次のものがあります:
- Jira
- nTask
- QuickScrum
- ScrumDo
- Scrumwise
- Vivify Scrum
8.VTIグループ
株式会社VTIはベトナムにおける大手オフショア開発企業とし、金融、建設、小売、運輸、インタネットサービスなど多岐多様な業種で、全規模企業向けにソフトウェア開発、自動化実装、デジタルトランスフォーメーション、ハイテクサービスをご提供します。
従来、VTIグループはAWSアドバンスコンサルティングパートナー、マイクロソフトゴールデンパートナー、Magento及びOdoo公式パートナーに認定され、ISO 27001 セキュリティ標準、プライバシーマーク(Pマーク)、国際認証CMMIレベル3を取得したことに加えて、日本・韓国・ベトナムの100会社以上にパートナーとしてIT技術のサビースを提供しております。更に、この3国にわたる7子会社で働いている1050従業員以上は、企業様のDX革命の成功を目指して、社員一同全力を持って取り組んで参ります。
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